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ハーバード大学 イチロー・カワチ氏がCNC研究員として着任 社会疫学の視点から、日本発のコミュニティナーシングを世界へ

2025.01.01お知らせ

2025.01.01

世界のヘルスケアの転換点における、日本発の実装モデル

株式会社CNC(本社:島根県雲南市、代表取締役:矢田明子)は、このたびハーバード公衆衛生大学院 社会・行動科学学部・教授のイチロー・カワチ(Ichiro Kawachi)氏がCNC研究員として着任したことをお知らせいたします。

近年、世界のヘルスケアは大きな転換点を迎えています。
従来の医療中心のアプローチから、人々が暮らす社会環境やコミュニティそのものを健康の基盤として捉える視点へとシフトしつつあります。
この変化を理論的に支えてきたのが、
・健康の社会的決定要因(Social Determinants of Health)
・ソーシャルキャピタル(社会関係資本)
といった概念です。

健康は医療だけで決まるものではなく、人と人との信頼関係、地域のつながり、社会参加、相互扶助などの社会的条件によって大きく形づくられることが、数多くの研究によって明らかになってきました。
カワチ氏は、この分野を牽引してきた世界的研究者の一人であり、社会の構造や関係性が人々の健康に与える影響を解き明かしてきました。
また、日本社会におけるコミュニティの絆や相互扶助の文化にも長年関心を寄せ、東日本大震災後には、被災地域における社会関係資本が健康回復に与える長期的影響を追う研究にも取り組んでいます。
 

コミュニティナーシングを「社会疫学の問い」として整理する

CNCが各地で実装してきたコミュニティナーシングは、人と人との関係性を起点に地域の健康を育てていく実践です。
・住民同士のつながり
・地域の相互扶助
・日常の関係性の中で生まれる支え合い
といった社会的資源を活かしながら、医療や福祉の枠を超えて健康を支えていく取り組みは、まさに社会疫学が長年問い続けてきたテーマと重なります。

今回の着任は、地域の現場で生まれている変化を
「社会疫学の視点からどのように理解できるのか」
「どのように評価し、再現可能な学びとして整理できるのか」
という問いとして捉え直し、コミュニティナーシングの実装を世界に接続可能な知として整理していく取り組みとなります。

 

■ イチロー・カワチ 氏
社会疫学者(MB.ChB., Ph.D)。1961年東京生まれ。
12歳でニュージーランドへ移住し、オタゴ大学医学部卒業後、同大学で博士号取得。内科医として診療に従事。
1992年よりハーバード公衆衛生大学院で教育・研究に従事し、2008年より社会・行動科学学部教授。

研究分野は、
・健康の社会的決定要因
・収入格差と健康
・ソーシャルキャピタルと社会の絆
・地域環境・職場環境が健康に与える影響
など。社会疫学およびソーシャルキャピタル研究の第一人者として世界的に知られる。

専門領域:社会疫学、健康の社会的決定要因、ソーシャルキャピタル(社会関係資本)、社会・行動科学
所属:ハーバード公衆衛生大学院(Harvard T.H. Chan School of Public Health)
社会・行動科学学部・教授
John L. Loeb and Frances Lehman Loeb Professor of Social EpidemiologySocial and Behavioral Sciences, Harvard T.H. Chan School of Public Health
Department of Social and Behavioral Sciences
 

■ CNC研究員としての役割
・CNCが実装を進める各プロジェクトにおけるアウトカムリサーチの設計
・専門的知識の供与、情報の提供並びに専門的見地に基づく助言

 

■ CNC代表取締役 矢田明子 コメント
学生時代、地域でコミュニティナーシングの原型となる活動を立ち上げる中で、社会と健康の関係を理解するために読み込んでいた研究の一つが、カワチ先生のソーシャルキャピタル研究でした。
人と人との信頼やつながり、地域の相互扶助といった関係性が健康に影響するという視点は、私たちが現場で実践してきたコミュニティナーシングの考え方と深く重なっています。
今回、カワチ先生に研究員として関わっていただけることは、地域で起きている実践を社会疫学の視点から整理し、より多くの人に伝えていく大きな機会になると感じています。
日本の地域社会の中で育ってきたコミュニティナーシングの実践が、世界のヘルスケアの未来にどのような示唆を持ちうるのか。
先生の知見をお借りしながら、地域の現場から生まれる学びを丁寧に言語化し、国内外へ発信していきたいと思います。

 

■ 今後の展望
社会疫学・ソーシャルキャピタルの観点を踏まえたプロジェクト設計の整理
・各プロジェクトのアウトカム設計(指標設計・評価設計)の整備
・国内外への発信(公開研究会、レポート、共同企画等)
 

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